メガネは、顔につける服。いま気になる3本の話。
僕は、メガネが大好きだ。そもそも身だしなみを整えることが好きで、服も、靴も、時計も好き。そのなかでもメガネは、かなり面白い存在だと思っている。なぜなら、人の印象をものすごく大きく変えるから。
同じ服を着ていても、黒縁のメガネを掛けるのか、細いメタルフレームにするのか、少し色の入ったレンズを合わせるのか。それだけで、顔つきも、その人の雰囲気も変わる。
本来、メガネは視力を補うための道具。でも、日本では伊達メガネを掛けたり、カラーレンズを入れたり、ファッションの一部としてメガネを楽しむ文化もかなり定着している。僕は、そこが好きだ。
メガネ熱を再燃させた、カラーレンズ。
ここ数年、僕のなかでまたメガネ熱が強くなっている。その大きな理由が、カラーレンズ。いわゆるサングラスほど濃くない。僕が好きなのは、15〜25%くらいの、目がちゃんと見える程度の色味だ。このくらいが絶妙にいい。
メガネとして普段使いできるけれど、クリアレンズとは少し違う。服装がシンプルでも、レンズにほんの少し色が入るだけで、なんとなく“こなれた”感じが出る。特に夏は、そのバランスが大事だと思う。
黒縁のメガネは格好いい。でも、夏場に太い黒縁をそのまま掛けると、服装によっては少し重く見えることがある。かといって、透明感が強すぎるクリアフレームは、選び方によっては少し子どもっぽく見えてしまう。黒でもない。完全なクリアでもない。フレームの透明感や、薄いカラーレンズで、その中間をつくる。今は、そんなメガネがすごく気分だ。
結局、メガネも「サイズ」だと思う。
Ray-Banのような海外ブランドも好きだ。TOM FORD、SAINT LAURENT、PRADAなんかも格好いい。ただ、いろいろ掛けてみると、最終的に僕が大事にしているのはブランド名以上に、自分の顔にちゃんとフィットしているかなのだと思う。
これって、スーツにも少し似ている。一時期はARMANIのような海外ブランドのスーツに憧れたけれど、結局スーツってサイズがものすごく大事だ。肩幅、着丈、袖丈。どんなに高級なものでも、自分の身体に合っていなければ格好よく見えない。
メガネも同じ。顔の幅や鼻の高さ、フレームの大きさ。ほんの数ミリ違うだけで印象が変わる。だから僕は、海外ブランドも好きだけれど、日本のブランドがつくるメガネにもすごく惹かれる。そして最近は、比較的手に取りやすい価格帯にも、本当に面白いメガネが増えてきた。そのなかで、今かなり気になっているのがこの3本。
#01|Zoff × UNITED ARROWS
ZF231013

まずは、ZoffとUNITED ARROWSによる「Zoff|UNITED ARROWS DRESS UP」のウェリントン。8mm厚のアセテート生地を使った、かなり存在感のある一本。カシメ丁番や彫金など、細かいところまでヴィンテージフレームを意識したつくりになっている。
これが格好いい。Zoffという身近なメガネブランドに、UNITED ARROWSのファッションとしての感覚が入ることで、単なる「視力を補うためのメガネ」から、一気にスタイリングの道具になる。
ウェリントンなので形自体は王道。でも、厚みがあることで、ちゃんと存在感がある。こういうメガネに薄いカラーレンズを入れて、白Tシャツやシャツに合わせるだけでも十分格好いいと思う。
現在はすでに完売となっているが、コラボシリーズは継続している。ぜひ。一度ホームページで調べてみてください。
#02|OWNDAYS
BACK in BLACK OB2012G-5A C1

次は、OWNDAYSの「BACK in BLACK」。
OB2012G-5A C1は、力強いフロントとすっきりしたテンプルを組み合わせたウェリントン型。現在の公式価格は15,800円。OWNDAYSは現在、木村拓哉さんをグローバルアンバサダーに起用していて、「大人が掛ける黒縁」という見せ方もすごくいい。
黒縁って、一歩間違えると真面目になりすぎたり、重たくなりすぎたりする。でも、だからこそカラーレンズとの相性がいい。ブラックのフレームに、15〜25%程度のグレーやグリーンを合わせる。それだけで、普通の黒縁とは少し違う。サングラスほど気取っていないけれど、普通のメガネでもない。このくらいの距離感が、個人的にはすごく好きだ。
#03|JINS for beautiful people
UGF-26S-105

そして、今かなり好きなのがこれ。
JINSとbeautiful peopleによる「JINS for beautiful people」の第2弾、parallax sunglasses。UGF-26S-105はウェリントン型で、フレームとレンズの間にインナーリムを入れ、あえて“ズレ”をつくったデザイン。価格は12,900円。これ、本当にいい。
特に僕が好きなのは、クリアなんだけど、クリアすぎないところ。夏に黒縁を掛けると少し重い。でも、完全な透明フレームだと少し若すぎる。そのちょうど間にいる感じがする。
beautiful peopleらしい少しひねったデザインも入っているけれど、奇抜すぎない。ちゃんと普段使いできる。このバランスは、かなり秀逸だと思う。そして12,900円という価格を考えると、ファッションアイテムとして一本持っておくのも面白い。服を一着買う感覚で、メガネを買える。そう考えると、メガネってかなり優秀なファッションアイテムだ。
高いメガネも、もちろん好き。
ここまで比較的買いやすい3本を挙げたけれど、もちろん高価格帯のメガネも好きだ。金子眼鏡、ayame、EYEVAN、OLIVER PEOPLES。海外ブランドならRay-Ban、TOM FORD、SAINT LAURENT、PRADA。
職人の仕事や素材、細かなディテールまで見れば、高いメガネにはやっぱり高い理由がある。だから、どちらが良いという話ではない。1万円台のメガネをファッションとして気軽に楽しむのもいいし、何年も使う一本にお金をかけるのもいい。僕自身、その両方が好きだ。
メガネは、顔につける服。
メガネは毎日掛けるものだから、つい「必要なもの」として選んでしまう。でも、もう少し自由に選んでもいいと思う。今日は黒縁。明日は薄いグレー。夏は少しカラーレンズを入れてみる。服を着替えるように、メガネも替える。
顔の真ん中にくるものだから、場合によっては服以上に印象が変わる。そう考えると、メガネってすごく面白い。僕にとってメガネは、視力を補うためだけのものではない。顔につける、ひとつの服だ。だからたぶん、これからも何本あっても欲しくなる。