「東串良らしいバーガーをつくる。」そう決めたとき、最初に考えたのは、どんな味にするかではありませんでした。
何を挟むか。
東串良町には、農業を中心に、たくさんの食材があります。
だからこそ、何でも入れればいいわけではない。東串良を知らない人が食べたときに、「こんなものがある町なんだ」と知るきっかけになるもの。町の人が食べたときに、「これ、東串良のものだよね」と感じられるもの。
そんな食材を探しながら、今回のプロトタイプを考えていきました。
まず選んだのは、東串良のお茶。
ひとつ目のバーガーに使ったのは、お茶です。ただ、お茶を飲み物として添えるのではなく、今回はバンズに練り込むことにしました。一口目から、ほんのりとお茶の香りを感じる。バーガーの見た目にも、少しだけ緑が加わる。
「お茶をバーガーに使う。」
少し意外な組み合わせですが、だからこそ、東串良の食材を新しい形で楽しんでもらえるのではないかと考えました。そこに合わせたのが、麦味噌を使ったチーズソースと、照り焼きの味。お茶の香り、味噌のコク、チーズのまろやかさ。地域の食材をそのまま見せるのではなく、バーガーとして、ちゃんとおいしくする。
それも今回、大切にしていることです。
東串良といえば、やっぱりピーマン。
もうひとつ、どうしても使いたかったのがピーマンでした。東串良町は、長年ピーマンの産地として知られる町。肉厚で、みずみずしい。そして、ピーマン特有の苦味が比較的やわらかいのも特徴です。
ただ、ここでも考えました。ピーマンをそのまま挟むだけでいいのだろうか。そこで今回は、ピーマンをグリーンソースにすることにしました。色は鮮やかに。でも、味は尖りすぎないように。
チキンと合わせたときに、ピーマンの存在を感じながらも、最後まで食べやすい味を目指しました。「ピーマンが主役のバーガー」ではなく、ピーマンのおいしさを知るきっかけになるバーガー。
そんな立ち位置を目指しています。
肉も、この町とのつながりから考える。
バーガーの中心になる肉も、できるだけ東串良との接点を持たせたいと考えました。牛肉を使ったバーガーには、東串良とのつながりを持つ牛肉を取り入れながら、国産牛と組み合わせてパティに。チキンバーガーには、町内で育てられた鶏を使っています。
すべてを「東串良産」にすることだけが目的ではありません。大切なのは、このバーガーを通して、町の食や産業、人へつながっていくこと。その考え方を、ひとつひとつの食材に込めています。
これは、まだ答えではない。
今回選んだ食材が、東串良を表現する唯一の答えだとは思っていません。町には、まだまだ食材があります。つくっている人がいます。僕たちが、まだ知らない味もあります。
だから今回のバーガーは、あくまでプロトタイプです。
まずは、お茶。ピーマン。肉。身近にある食材を、少し違う角度から見てみる。そして、バーガーというひとつの形にして、町のみんなに食べてもらう。そこから、「こんなものも挟めるんじゃない?」「この食材も使ってほしい。」
そんな声が生まれたら、東串良バーガーはもっと面白くなっていくと思っています。
キミは、何を挟む!?
この問いは、バーガーをつくる僕たちだけに向けたものではありません。
農家さんにも。町の人にも。そして、東串良を訪れる人にも。みんなで考えながら、この町の味を育てていきたい。今回選んだ食材は、その最初の答えです。
